車を下取りもしくは買取に出した場合に、消費税を支払う必要があるのでしょうか。

お買い物など、何かを購入する時には支払う必要があるという事は理解できるのですが、今回の様に売却時にも必要なのかどうかは意外と知らない方も多いと思います。

そこで今回は、知って納得 車を売却した場合の消費税の扱い方法についてご紹介したいと思います。

車を売る時の消費税ってもらえるの?

そもそも消費税とは、モノやサービスを購入あるいは消費した場合に掛かる間接的な税金となります。

ちなみに間接的な税金とは、支払う人と納める人が異なる税金のことを指します。

なお、消費税を支払う人とは、モノやサービスを消費する消費者となり、納める人とは消費者から税金を預った事業者になります。

具体的に述べると、スーパーで買い物をした場合に、消費者は精算時に消費税も併せて支払います。

そしてスーパーは消費者から預った消費税を、後からまとめて税務署に納めるといった流れになり、つまりは消費者の代わりに税金を納付しているという事になり、これが間接的な税金と呼ばれる理由です。

消費税の仕組みを理解する

消費税の仕組みからいってしまえば消費税はもらえるというよりも、消費税を加味した金額で下取りや買取を行ってもらえるという事になります。

そもそも下取りや買取を行っている事業者は、売却主から車を仕入れた後に再び消費税を含めた金額で販売する事になります。

すなわちディーラーや買取業者等は、依頼者に対して消費税を支払った事になっているのです。

具体的な例を挙げて述べますと、例えば100万円の金額で下取りあるいは買取を行った場合に、その後に販売額100万円(消費税を含めた108万円)の金額で販売したと仮定します。

この8万円が消費税分となるわけですが、対価の額の108分の6.3相当金額は消費税額として仕入税額控除を行う事が可能となっている事からも、8万円分全てが消費税として徴収される訳ではありませんので利益を出すことが可能です。

つまり、買取り額と販売額が同じであっても利益を得る事ができるのです。

さらには、100万円が消費税込みとして下取りあるい買取された後に、消費税を含めた108万円で販売された場合には、車体実際の価格としては952,926円となる訳です。

こういった事も踏まえた査定を行う事も多く、消費税のことが頭にない個人売り主の想像以上に利益を確保する事が可能となります。

消費税を含めた交渉が可能

下取りあるいは買取に出す場合において、消費税の仕組みを理解しておく事という事は重要なポイントにもなります。

「車を売る時の消費税ってもらえるのか」という点においては、実際にはもらえるという概念はなく、消費税を含めた査定提示あるいは消費税に対しての適格な説明がなされているかどうかを把握しておく事が大切です。

消費者が車を売るような場合においては消費税は課税されないといった明確な説明がある場合においては、より信頼できるディーラーあるは買取業者等といえますし、そうでない場合においては、消費税分を上乗せできるかどうかといった交渉ができる可能性があります。

この様に、消費税の仕組みを理解しておくという事は、査定金額を少しでも高くする為の交渉材料として用いる事が可能となりますのでおすすめします。

ただしこの場合では、売り主側は消費税の課税対象とはなりませんので、ディーラーあるは買取業者等に対して消費税を強要する事はできませんので注意しましょう。

車を売る時の消費税の取り扱いは?

個人あるいは事業者で異なる

消費税の原則からいけば、車を売却した場合においては売却先に消費税を請求して、後から税務署に納める必要があるのではないかと思う方は多いと思います。

しかしながら一概にそうとは言い切れません。

国税庁では消費税の扱いに関する情報が公開されており、その中には「国内において事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡等」という条文において、消費税の課税対象としては「事業者が事業として行う取引」といった項目があります。

この項目から判断すると、個人の自家用車の売却については、事業を目的とした行為には当てはまらない為に消費税の課税対象とはなりません。

つまりは、車の売却においてその個人が事業主としての対象となる場合には、消費税の課税対象としてみなされる事になります。

事業主における売却時の税金について

個人使用目的での売却時では、消費税に関して課税対象外となるのですが、事業で使用していた自動車を売却したときには少し話が異なります。

そもそも個人事業主あるいは法人においては、所得税であったり法人税であったり、売却時において消費税以外の税金が課税される事になります。

さらには個人事業主あるいは法人によって課税の扱いが異なります。

個人事業主の場合の売却時の税金について

個人事業主が事業に使用していた車を売却した場合には、売却による損益は事業所得や不動産所得の支出や収入には該当しません。

したがって事業所得の計算とは切り分けて、いわゆる譲渡所得として計算をする事になります。

ただし、額面によって課税される場合とそうでない場合があり、その判断を行うものに「特別控除」が関係してきます。

「特別控除」とは、そもそも車の売却に関して、購入した時の価値よりも売却した時の方が価値が低いとみなされる事が基本となっており、この事からも車を売却した場合には50万円までの特別控除が適用される仕組みとなっています。

したがって、譲渡所得いわゆる売却で得た利益が50万円を超えた場合には、売却益を得たことになしますので、特別控除額を超えた金額に対して消費税が課税対象となるわけです。

なお、特別控除の50万円については、仮に購入時の金額が40万円であった場合でも控除額として適用されます。

ですので、40万円の車が60万円で売却した場合でも50万円控除した残りの金額が所得税の課税対象となります。

法人の場合の売却時の税金について

一方、法人が事業に使用していた車を売却した場合には、売却損や売却益は事業の支出や収入に該当してきます。

この時に車の法的な価値を示す「簿価」が大きく関係してきます。

この簿価は、あくまでも帳簿上の価値となり、実際に売却する場合においては売却値と簿価が大きく離れている場合がありますので注意が必要です。

例えば、耐用年数を過ぎていて簿価が1円の車を売却した場合に、数万円から数十万円で売却ができたと仮定します。

この時に、価値がないものに価値が付いたと考えられますので、すなわち売却益として計上される事になります。

反対に、簿価が10万円の車を売却した場合に、実際の売却値が10万円以下だった場合においては売却損として計上、実際に10万円以上で売れた場合には、その差額分が売却益として計上される事になります。

そして法人の場合においてはこの売却益に対して法人税が課税される事になります。

事業主における売却時の消費税について

消費税の課税対象(2年前の売上が1,000万円以上である場合など)となる事業主において、車の売却の際には売却益に限らず売却代金そのものに係るものとなります。

したがって、売却損が出た場合も、消費税は係ります。

なお、車両の売却代金が消費税の課税売上となるのですが、売却代金とは別にリサイクル料金を受けとったあるいは、リサイクル料金込みの売却代金の場合に関しては、リサイクル料金を除いた額が消費税の課税対象となります。

リサイクル料金に関しては預託金としてみなされている為に消費税はかからないからです。

車を売却した時に納税義務はあるのかと聞かれた場合、簡単にいえば「通勤や送迎・買い物などに使っていた自動車を売却する場合」においては、消費税の納税義務はありません。

売却して入金された時点で終わりです。

ですので、事業用として使用している場合にはおいては消費税が掛かるという事を覚えておく事をおすすめします。