新しく車を買おうと思い、今お持ちの車を下取りなどに出すことはままあります。
その時に少しでも高く売れれば、新しく買う車の購入資金にゆとりを持たせることが出来るので、誰しも高く売りたいと思うことでしょう。
どこに売ればより高く買い取ってもらえるか、買取業者が数多くある昨今では非常に難しい問題です。
そこで今回は中古車の業者オークションについてご紹介します。
お持ちの車をより高く買い取ってもらうことももちろんですが、中古車の業者オークションならではのお買い得品もあります。
これから車の購入をお考えになられている方の参考になれば幸いです。
中古車の業者オークションって何?
中古車の業者オークションとは、自動車ディーラーや中古車ブローカー、中古車販売業者など様々な自動車関係業者が参加する卸値で中古車を売買するオークションのことを言います。
この中古車の業者オークションに参加するためには、古物商資格を持つ会員に限られています。
これは中古車の売買を犯罪などの目的で利用することを防ぐために設けられた制度です。
信頼できる特定の業者しか参加することの出来ないオークションですので、一般の方が参加することは出来ません。
一般の方が中古車の業者オークションを利用する場合は、資格を持った自動車関係業者に委託する形になります。
中古車の業者オークションの一連の流れは以下のようになります。
中古車を購入する場合
- インターネットを使い、事前に購入する車を決める
- オークション当日に専用のオークションサイトにアクセスする、もしくは直接会場へ行く
- オークションの開始
- 無事落札出来ればオークション開催元から書類を受け取る
- 落札した車を陸送で運送するか、自分で取りに行く
中古車を売却する場合
- 中古車を引き取る
- 引き取った中古車をオークション会場へ運ぶ
- 出品審査を受ける
- 審査を元に作られた出品票に評価と注意点が記載される
- オークションの開始
- 落札後、購入者へオークション開催元から書類が送られる
以上が中古車の業者オークションの一連の流れとなります。
特筆すべきは、出品された車は出品審査を受けると言うことです。
出品審査の段階で水没した形跡などが見つかった場合は、出品票にそのことが書かれます。
厳しい審査がありますので、傷を隠して出品すると言うことは出来ません。
一般の方が中古車業者のオークションを利用する場合、オークション参加資格を持った業者へ委託と言う形になります。
この時にオークション代行手数料と言うものが発生します。
代行手数料の相場は3万円~5万円ほどと言われており、無事売買が成立した場合には別途1万円ほどの出品料などが発生します。
このため中古車自体を安く買うことが出来ても、手数料などで逆に費用が嵩んでしまうケースもあります。
手数料などの相談は事前にオークション参加資格を持った業者の方と綿密に相談する必要があります。
現在行われている中古車業者のオークションで有名なものは以下のものになります。
- HAA神戸
- USS
- ベイオーク
- トヨタオークション(TAA)
- JU
それぞれ各社が独自に運営する会場でオークションが行われています。
また、参加資格もそれぞれ異なりますのでどの業者がどのオークションに参加出来るのか、と言う部分も確認しておく必要があります。
業者オークションのメリットは?
中古車業者のオークションを利用するメリットは、単純に金額になります。
従来の中古車を買う場合には、様々な業者を介して利用者の手元に届くケースがほとんどです。
中古車を購入しようとする場合、この際に発生する中間マージンなどが上乗せされた最終的な金額を提示されます。
中古車業者のオークションを利用した場合は、この中間マージンが一切掛かりません。
そのため中古車そのものの卸値で買うことが出来るので、一般に販売されている中古車よりも安い金額で買うことが出来ます。
中古車業者のオークションと普通に中古車を買おうとした場合、大きい時には40万円以上もの差が生じることもあります。
新しく車を買おうとした場合、購入資金が低いに越したことはありません。
予算よりも低い金額で中古車を手に入れることにより、残ったお金で色々なことが出来ることでしょう。
40万円もの差額が出てしまったら尚のことでしょう。
しかし、これをクリアするためには色々な条件が付きまといます。
次項ではデメリットについてご紹介します。
業者オークションのデメリットや注意点は?
中古車業者のオークションのメリットは安く中古車を購入出来ると言うことはお伝えしましたが、それに付随してデメリットももちろんあります。
中古車を購入する時の注意点
- 落札までの取引がインターネットのため、引き取りで現地に行くまで現車確認が出来ない
- 保証は付けることは出来るが、保証費用が高額
- 代行手数料が掛かる
- 出品票に書かれていない不具合があっても、返品保証期間を過ぎると返品できない
- オークション出品車は、ノークレーム・ノーリターンが原則
- 場合によっては、販売店よりも高くなる可能性がある
中古車を売却する時の注意点
- 売れなかった場合でも、再出品手数料が掛かる
- 販売店よりも安くなってしまう可能性もある
- 整備なしでは売れない場合がある
中古車業者のオークションにはこのようなデメリットがあります。
特定の資格を持った業者が参加することが前提となっているオークションですので、予期せぬ不具合が出た場合でも自分で整備出来ると言うことになっています。
そのため、一般の方が代行で中古車を買っても自分で修理箇所が直せず、業者に修理を頼んでしまうと言うケースもあります。
こうなってしまうと、実際の購入金額よりも高い買い物となってしまう可能性が高くなります。
もちろん、代行を頼んだ場合には業者がしっかりと出品票を確認したりなるべく予期せぬ不具合が起こらないようにと努力はします。
しかし、必ず不具合のないものを選べるかと言われると決してそうではありません。
また、出品票は内装や外装を主に評価します。
そのため、内部的な機械の故障などは見落とされることが多く見られます。
このような予期せぬ不具合が見つかった場合、車両搬出時までにオークションの運営にクレームを入れて対応してもらうことが出来ますが、現車確認が出来ないのでその対応も非常に難しいものとなります。
売却する時の注意として、再出品手数料が掛かると言う点も注意が必要です。
オークションですので、買い手がつかないと言うケースもあります。
その場合には出品した車を持ち帰るか、再出品するかを選ぶことになります。
出品した車を持ち帰るにしても陸送の手数料が掛かり、再出品するにしても再出品手数料が掛かります。
希望する売却額はあると思いますが、売れなかった場合には損をしてしまうと言うことを念頭に置かなければなりません。
中古車業者のオークションにはこのように注意点が多くあります。
そのため、中古車業者のオークションを利用する方は、自動車の知識があり中古車の程度を見極められる方やご自身でメンテナンスなどの整備が出来る方にはおすすめとなっています。
逆に、初めて中古車を購入する方や整備に自信のない方へはおすすめ出来ません。
まとめ
中古車を購入する場合には、正しい知識さえあればよりお得な買い物が出来る中古車業者のオークションです。
昨今では、中古車の売却に関してはディーラーを利用しても中古車業者のオークションを利用してもそう大きな差は生じないとされています。
もちろんどちらの業者にも査定してもらうと言うことが一番良いのですが、その分手間は掛かってしまいます。
メリットとデメリットをしっかり理解した上で中古車業者のオークションを利用する必要があります。